前回の おすすめキーボード 第一話:キーボードピアノのサイズについて と併せてご覧ください
続編:タッチについて
ピアノを学ぶ時に特に重要になってくるのが ”タッチセンシティビティー”です。
特にクラシック音楽をマスターしていく中では必要不可欠ですが、
ジャズやポピュラーミュージックを弾く時であってもタッチが綺麗に整っているプロフェッショナルの方々は
とても魅力的な演奏をされています。
ということで、私の生徒さん達にはタッチセンシティブの機能が付いているキーボードを強くお勧めしています。
昨今では、たくさんのブランドがタッチセンシティブの付いているデジタルピアノを製造しているようです。
安いキーボードにもこの機能は付いていますが
だいたい反応が鈍いか、
少し指の深さを変えるだけでもかなりの音量の差が出てしまったりします。
それによって、性格な指の抑え方を身につけることが難しくなってきます。
ピアノを弾く上で、Finger tips (指の腹)を正しく使うことが重要です。
この時に、強弱が簡単に付いてしまうキーボードで練習すると、指を性格に曲げて弾く
という習慣がつかなくなる場合があります。
どのブランドのものが一番良いのかよく質問をされますが、
私の一個人としての好みはYAMAHAとCasioです。
昔、YAMAHAのP-80というモデルを使用しましたが、タッチも深く強弱も細かく表現でき、
お気に入りでした。(ただ一つの難点は、スピーカーがビルトインでないので外付けにアンプをつけるか、
ヘッドフォンで音を聴くかになりましたが)
YAMAHA は日本でも昔からピアノ製造で有名です。
ピアノという楽器の仕組みをよく理解している会社という意味でも
私はYAMAHAをお勧めできます。
YAMAHA のGraded Hammer Standard と、Graded Hammer Actionとは
どちらも似たような用語ですね。
これらのファンクションは、アコースティックピアノが本来持っている
ハンマーアクションを模範に作られたもので指の動きに応じて音が変わります。(早い、深い、浅い等)
Graded Hammer Standardは、初級者の生徒さん向き、
Graded Hammer Actionはさらに追求されたもののようです。(こちらのWEBサイト参照)
Casioの Tri-Sensor Scaled Hammer Action
Casio PX870 BK Privia Digital Home Piano, Black
それに対しカシオのデジタルピアノはTri-Sensor Sclaed Hammber Actionを備えており、
こちらも同様に指の動きに応じて強弱が変わります。
私はカシオのこのキーボードを頻繁に弾きますが、ビギナーの生徒さんにとてもお勧めです。
アダルトさんの初級の生徒さんでも、全ての音域をカバーしているので
ショパンやモーツァルトのようなクラシック音楽のすべてのレパートリーをカバーすることができます。
CasioのPrivia シリーズ
PX860の新型がPX870になります。個人的な意見ではさほど違いはないと思います。(価格もお値打ちです)
それに対し、PX160はいたってシンプル。コストパフォーマンスと
持ち運びの面を考えるとお勧めできますが、必ずしっかりとした脚を用意することをお勧めします。
強弱の練習で大きな音(フォルテ)を出す時にピアノのボディがひっくり返ってしまうことも十分に考えられますのでとても大切なポイントになります。
お勧めのHeavy dutyスタンド:On Stage Stands (amazonリンク)
その他の機能/考慮点
デジタルピアノの中には、デモパフォーマンスがついたものや違う音色のついたモデルが沢山あります。
この機能があるかないかによりコストの違いが出てくることもありますが、
レッスンでは一つの音を使用するため必要はありません。
ただ、小さな生徒さんは普段遊び感覚でデモパフォーマンスをきいたり、
違う音で練習しながら更にピアノに対する興味をもちます。
私は実際に子供さんから”この音で今日はこの課題曲を弾きたい”とリクエストがあれば
それに応じることがたくさんありますし、
レッスンもより楽しく進めることができます。
生徒さんそれぞれの性格で、この機能が付いていた方がプラスになるようであれば
ぜひ考慮してみてください。
お勧めのデジタルピアノ型番別
ヤマハのデジタルピアノであれば、P45 P115 YDP143
カシオからは Privia シリーズの PX860, PX870
をお勧めします。
最後に
いかがでしたか?
数ある品種の中から気に入ったデジタルピアノを選ぶのは難しいようにみえますが、
こちらのポイント(Graded Hammer Action/Standard; Tri-Sensor Scaled Hammer Action)を抑えて探してみると、
最終的に絞れてくるのではないでしょうか。
このキーボードで練習すれば上手くなる!ということよりも、
最終的には生徒さんそれぞれのやる気と、練習度によって上達度が変わってきます。
(たとえいいグランドピアノがあるご家庭でも、練習をしない生徒さんがデジタルピアノで毎日練習している生徒さんよりも上達することはありませんよね)
キーボードの品種選びはあくまでスキルを上達させるための手助けするものとしてお考えください。